パラサイヨメンバー対談【第三弾】

パラサイヨは2020年、団体設立20周年を迎えます。
より多くの皆様にパラサイヨの歴史、魅力、メンバーの人となりを知ってもらうべく、
メンバー同士の対談企画を設けました。
今回は【対談企画第三弾】
現在団体の代表を務めるメンバーと活動1年目の新人が対談します。


右:かおるぽん(パラサイヨ歴6年/2020年10月現在)
2014年よりパラサイヨに参加。広告代理店の営業として勤務。2017年より現在までパラサイヨの共同代表を務め、クラス*¹への所属もしている。

左:このか(パラサイヨ歴1年)
2019年(当時大学2年生)よりパラサイヨに加入。北関東にある大学の医療系学部の3年生。将来は免疫に関する研究をすることを目標に日々勉強に励んでいる。ボランティアメンバー募集サイトでパラサイヨを知り、現在はクラスに所属。

*¹クラス…パラサイヨの中に存在するチーム。全体イベントとは別に、各チームでイベントを企画する。


まずは、2人のパラサイヨ(以下パラ)との出会いについて教えてください。

かおるぽん:もともと国際協力や子どものためのボランティアは若い頃から関心はありつつ、なんとなく考えたまま参加するための手段が分からずに月日が過ぎていて。ある時、仕事のクライアントだったヒロさんとプライベートに関する話をしていた時に、彼がフィリピンの児童養護施設の子どもたちの支援をしていて毎年現地を訪れていることを聞いて、2014年のツアーに一緒に参加させてもらったことが始まり。とはいえ、いきなりツアーに参加したから、普段のパラの活動がそもそも分からなくて。こういう機会を与えてくれた団体だからもっとパラサイヨのことを知ろうと思って、帰国してから毎月の全体ミーティングは出るようにして、運動会や忘年会とかも参加させてもらっていたの。その忘年会でいろんな人に声をかけてもらって、クラス活動を始めました。
*²このシリーズの後に登場します。お楽しみに!
ツアー…毎年夏に支援している児童養護施設(CMSP)を訪れるツアーのこと。パラサイヨの一大イベント。

このか:その忘年会での話を詳しく聞きたい!

かおるぽん:最初は、当時はあった「クラス活動をしないメンバー」として登録したの。その時は「自分がパラの活動にどれだけ時間を割けるか分からない」と思っていたから。だけど忘年会で、次の年のクラス長をやることになっていたメンバーのイクに、「ハロウィンの企画ができたらいいなと思っています」って言ったら、彼が「うちのクラスでぜひそれやりましょう」って声をかけてくれてクラスに参加しました。 なんとなく自分の中でやりたいなって思っていたことを、クラスで一緒にやろうって言ってもらえたことが背中を押してくれたかな。

このか:私もパラに入ったばかりだからすごい共感する。私も学生生活しつつで時間ないから悩んでいたけど、イベントやろう!ってメンバーに声かけてもらえたからやってみようって思えた。そういう声をかけてくれるっていうのがこのパラサイヨの人たちの特徴?

かおるぽん:そうだね!あるある!

一同:(笑)

かおるぽん:このかは、どうやってパラを知ったの?

このか:私はボランティアメンバー募集サイトにパラサイヨの説明会を見つけて、参加したことがきっかけ。ボランティアを探そうって思ったのは、大学生活にも慣れて、日々の生活に新鮮味がなくなってきたときに、何か新しいことやりたいなって思って。あとは、大学はいろんな価値観の人がいて、世界が広がるのかなって思っていたけど、私の通う大学は単科大学でみんな同じ目標に向う「同士」だから、価値観が一緒というか狭い世界で、広くいろんな人に出会いたいって思ったこともきっかけのひとつ。新しいこと始めるにはいろんな選択肢があったけれど、折角なら人のためになることやりたいなと思って、なんとなくボランティアを探していたらパラサイヨがヒットしたっていう感じですね。

かおるぽん:ボランティア募集サイトには沢山の団体がある中で、どうしてパラを選んだの?

このか:パラは沿道で「募金お願いします」って集めるような活動じゃなくて、自分達が楽しんでなおかつお客さんも楽しませて、それを支援金にしているところがすごくいいなって。自分にとってはすごい新鮮なボランティアの仕方だったの。それと、私は勉強したいと思って勉強できたけど、世界には勉強したくてもできる環境が当たり前じゃないっていうのをテレビを見て実感したから、そういうこともあってパラにすごいピンと来たって感じです。結局、ほかの団体は行ってなくて。パラの説明会で、活動している大学生がすごいキラキラして見えたから、入りたいと思ったな。今でも沢山の同年代から良い影響を貰っているし、一緒にパラの活動することが楽しくて続けているかも。 

かおるぽん:パラの同年代から結構影響を受けて、自分が大学の同期と違うなと思うことはある?

このか:パラは能動的に動く人が多い。大学は本当に受け身で履修科目も選べなくて、試験や課題のためにひたすら勉強するの。パラの学生メンバーは、あれやりたいこれやりたいって能動的に企画しているのを見て、私ももっと能動的に動こうって思えた。

 

― パラサイヨで心に残った経験はありますか

かおるぽん:最初のツアーで現地に行った時、私と同じ初参加の子たちは、子どもたちと最初から遊んでいたけれど私のところには子どもたちが最初は来てくれなくて。「どうしよう、大丈夫かな」ってひそかに焦っていたんだよね。 ただそんな中でも、その後に続く出会いはあったけれど。あっという間に4日間が終わって、他の初参加者は感動していたメンバーが多い中、私はなんとなく消化不良で終わった自分がいたのね。その翌年にツアーに参加するかどうかを考えていた時、前年のツアー中のバスでマイクを持っただいちゃんというメンバーが「2回目のツアーは本当に違うから、絶対にぜひ行って欲しい」って話してくれたのを思い出したの。いろんな人が話してくれた中の一人だったけど、その言葉に背中を押されて参加を決めたのね。2回目のツアーのCMSP訪問のセレモニーの後、前年に仲良くなった子どもが自分の姿を探してきてくれて、もうその場で泣き崩れたんだよね。「だいちゃんが言っていたのはこれか!去年の私のツアーは無駄じゃなかった。だいちゃんの言葉を信じて来て良かった!」って、その時本当に心が震えて。そこからね、ツアーは必ず行きたいなって。心が動いた経験かな。

このか:すてきー!探してくれるの熱いですね。1回しか会ってない、しかも2日間だけで、一年後。すごいですね。

かおるぽん「フィリピンと新しいつながりができたんだな」って。それから毎年会えているからね、今までのところ。ちなみに、当時大学生だったメンバーのあっくん*⁴も2回目のツアーに行くかは悩んだらしくて。でもその当時バスで聞いただいちゃんの言葉を覚えていて参加しましたって2回目のツアーに参加したとき言っていて。私と同じだ!って。
*⁴このシリーズの後に登場します。お楽しみに!

このか:よく聞きますね!2度目の再会がすごい感動するって。行きたいな。

かおるぽん:このかは、パラで一番心に残っていることはあるかな? 

このか:やっぱり自分が初めてリーダーをやったイベントかな。何も分からなかったけれど、勢いでイベントリーダーの一人になって。笑 実際にやって、「イベント作るって大変だな」って更にメンバーへの尊敬の念が増したことが印象に残っているかな。自分が何気なく参加したBBQは、規模が大きくて参加者も多かったから、凄かったんだなあれって!って。かおるぽんは、最初にやりたかったハロウィンのイベントは結局実行したんですか?

かおるぽん:それもね、すごく心に残ったエピソードのひとつで。イベントは実施したけど、上手くいったとは言い難かったの。けれどクラス長だったイクが、「そういうことは気にしなくていいから、やりたいと思ったことにチャレンジすることが大事だ」って、すごく後押ししてくれて。このイベントに限らず、私の初めてのクラス活動経験だったその1年間、クラス長や他のクラスメンバーにとても助けられて、支えられたことが自分の中には残っていて、今でもすごい感謝しているの。だから私もみんなをサポートして、自分が受けた恩を返したいと思って、パラを続けている。今これを話していても涙が出そうなのよ。(笑)

このか:パラメンは否定する人いないですよね、みんな寛容すぎて…

かおるぽん:そうよね。ただちゃんと改善していくための見直し・振り返りは重要で、ちゃんとお互いに指摘しなきゃいけなくて。それができるのはパラメン同士の信頼関係があるからこそ。お互いにしっかりフィードバックして、自分たちのアウトプットを高めていこうっていうのがいいのかな。

このか:ほんとにそう思います。普通イベント終わったら打ち上げ気分ですけど、私がリーダーやったイベントも終了直後にミーティングして、「こうした方がいいよね」「ここよかったよね」ってすぐ言ってくれて。イベントが終わったばかりですぐフィードバックもらえたから、自分の中では結構成長できたかなって思います。そういう感じがすきだなって(照笑) 

 

― パラサイヨに入る前と後で自分が変わったところはありますか?

かおるぽん:私はもともと人見知りだけど、パラに入ったらお客さんに楽しんでいただくためにおもてなししなきゃいけないし、それ以前にパラメンとお互いのことを知らなきゃいけなくて。人見知っている場合じゃないわけ。(笑)

一同:(笑)

このか:わかります、わかります!

かおるぽん:だから、「自分から積極的に」はすごく苦手だったけれど、それだとパラメンとしては機能しないので。状況的にやらなければならない時がきて、徐々に慣れてきたというか。自分を閉じてれば入ってくるものはないけれど、自分が開いて求めれば、どんどん入ってくるから、そういう風に自分を開こうって思えるようになった。今でも開き切れてはいないけれど。前よりはましになった。(笑)

このか:私めっちゃ人見知りです。今の話共感しました治ります?

かおるぽん:パラにいると人見知りしてられないのよね。(笑)ボランティア募集サイトを見てパラの説明会に来られる時点ですごいと思うし、逆にびっくりしたのは、そんなこのかが今年はダイナ&キースミーティング*の司会をやるって言ったのってすごくない?! 
*⁵ダイナ&キースミーティング…毎年CMSP訪問の初日に行われる、CMSPの経営者とパラサイヨそれぞれの1年間の活動報告やディスカッションを行う会議。

このかめっちゃドキドキでしたよ。怖いもの知らずでとりあえずやりますとはなるけど、その後にどうしようってなるタイプ。人見知りだけど、チャレンジ精神だけはあるので(笑)

かおるぽん:そういうのに飛び込める、そのチャレンジがすごいよ。それだけでパラメンとしての素質はあるよ。半分はチャレンジ精神でできているから。

このか:でも確かに、パラサイヨでイベントやるようになって、人見知りではいられないし、人見知りだとちょっと損するなっていう事に気づきました。

かおるぽん:人見知りだと損するって、すごく分かる!折角いろんな人たちがいるのに、もっと深い話もできるかもしれない機会を閉ざしちゃってたら、損だよね。

このか:高校時代は人見知り過ぎて違うクラスの子に話しかけられなかったので、もっと話せていれば楽しかっただろうなって今すごい思う。パラに入る前は「話しかけてもらえば話せるけど、自分から話しかけられないな」って感じで。パラサイヨ入ってから、ある程度の自己開示をしないと相手からも開示してもらえないなって、最近思っています。そこ変わったかもしれない。

かおるぽん:共感!!

スタッフ:この価値観のお話は二人の意見がとても合っていますね。

 

パラサイヨに10年後どう関わっていたいとか、もっとこういう風にしたいなどあれば教えて下さい。

かおるぽん:難しい質問ですね。私も入ってまだ7年目でパラサイヨができてからの10年間を実際は知らないけれど、団体としてすごい成長していく過程があったのだろうなと思った時に、その勢いを持ち続けた団体であってほしい。今が完成形ではなくて、さらにここから成長して、団体の人数的にも規模的にも活動内容的にもさらに発展していってくれて、どんどん多くの人にこの団体に魅力を感じて欲しいな。実はこの最近でも、5年前は活動するメンバーが一旦減った時期があったけれど、このかのように新しいメンバーが入ってきてくれて、今また盛り返してきているの。もっともっとさらに団体が継続できていてくれたらそれ自体もすごく嬉しいし、さらにそうやって発展してくれたらすごく嬉しいな。もしかしたら、今動いているオンラインコミュニティがあるように、私たちの活動拠点が関東だけじゃないかもしれないし。現に海外在住や東北から九州まで、このかも首都圏外から活動してくれているけれど、日本国内の離れたところからも沢山メンバーが参加してくれるとか、この活動にすごく共感してくれて意義を感じてくれて仲間となってくれている人が日本中にもっともっと増えていたら素敵だなって。いいところは失わずにね。このかは、何年後でもいいけれど、パラサイヨはどんな団体でいて欲しいとかある?

このか:かおるぽんも言ったように、今みたいにずっとアップデートし続けて欲しいかな。結構成長曲線って一気に上がって横ばいに停滞するじゃん。綺麗な右肩上がりの一次関数で!お願いしたいですね。

一同:(笑)

このか:そうなれるように、私たちも頑張るし。今、大学生メンバーは社会人メンバーに憧れて活動していると思うけど、そういう大学生メンバーの憧れの対象になれるように。それでまた新たな若い世代が入ってみたいなのが理想ですね。

 

パラサイヨと会社や学校など自分が所属している身近な環境のコミュニティーでは何が違うんでしょうか?

このか:私は部活で部の運営をやっているのだけれど、歴史というか、過去に縛られすぎているのね。部活の内容じゃなくて運営手段が不便で。「前からずっとこれで続いているから」って引き継ぎのときに何回も言われて。え、変えればいいじゃんって思って。(笑) それを考えた時にパラサイヨって今20周年迎えている団体だけど、今回のオンラインへの順応もそうだし、常にアップデートされてその時代と共に進んでいるなって。かおるぽんは他のコミュニティーとの違いを感じることはある?

かおるぽん:すごく単純なことだけど、会社だと上司と部下みたいな関係性だけど、パラサイヨは年齢とかバックグラウンドとか関係なくフラットな関係で、いろんな人たちと同じ志のもと活動できることが違うよね。会社の同僚はチームとして仲が良くても家族のような存在とまでは思わないけれど、パラの人たちにはほぼ家族くらいの思い入れを感じられるっていうのが違いかな。私が勝手に思っているだけだけど。(笑)

このか:家族愛?

かおるぽん家族愛だね。大きな一つの傘の下で一緒にいる感じ。多分私より昔からパラサイヨを続けているメンバーの方が、その想いはもっと強いと思うけれど。会社で一緒に仕事している時間も相当長いけれど、パラって一緒に過ごすプライベートの時間の長さと濃さと想いの強さ・深さがかけ合わさって、家族みたいな感じを感じている、特に最近。

このか:なるほど。そう思うようになったきっかけはあるの?

かおるぽん:その家族っていう言葉が私の口から出たのが、今年の5月に実施したツアーの決起会の時。その少し前に、コロナの影響で CMSPの生活面での資金繰りがすごく苦しくなってとても困っているって話があったから、パラとしての教育支援目的とは異なるので、先ずパラの中で有志のクラウドファンディングをやったの。そしたら、沢山の額をパラサイヨのメンバーが寄付してくれて。コロナで、日本の私たちの生活だってどうなるか分からない中で、CMSPの子どもたちのことをすごい心配してくれたの。その後のツアー決起会に、長年パラで活動してくれているメンバーが沢山参加してくれていて、最後の締めの言葉の時に自分のその時の思いを口にしていたのだけど、みんなでCMSPのことに想いを馳せながら時間を過ごした後だったから、「まるで家族じゃん」って想いが自分の中からぽっと出てきて。フィリピンにいるみんなも家族だし、パラメン同士も家族だなって、今年その想いが自分の中ですごく強くなったね。

一同:(感嘆)

このか:家族って相当ですよね。仲良い友達でも、なかなか家族とは思わないですもん。

かおるぽん:あと、例えば自分が体力的に本当にしんどいって思っていても、パラのメンバーに会うとなぜか元気になっちゃうのよね。(笑) さっきまでのしんどさは何だったのか、どこ行ったんだ、みたいな。(笑)会社の人は、会っても元気はくれません。(笑)

このか:好きなんですね。

かおるぽん:そうなんだと思う。

スタッフ:本当にかおるぽんは愛情深い人で、この家族愛の話を聞いて、腑に落ちて。やっぱりそういう風に想ってくれるパラサイヨのメンバーがいるから、頑張れているところがあるなっていうのを、今回の話ですごい感じました。

かおるぽん:やっぱり自分がパラサイヨのメンバーから受けた恩を返したいっていう想いがすごくあって。私がパラサイヨに入って、最初ちょっと怯むくらい、メンバーが本当にみんなを思いやっているなって思ったの。でもそこに受け入れてもらって、今まで活動して来られてパラのメンバーでいられるから。代表になった時も、本当に心の準備がないまま代表を引き受けてしまって自信喪失している中で、元代表たちをはじめ多くのメンバーが「代表になってくれてよかった」って言ってくれたことが、本当に支えになって3年間やってこられているし。周りの人の支えがなかったら本当に成り立っていないのよ。そこは申し訳ないのだけど、みんなへの愛だけは負けない!(笑)そういうみんなから受けた想いがあって今もパラに自分がいるから、これから入ってきてくれる人にも、ちょっとパラから足が遠のいてしまった人にも、みんながいつでも来られるように、もう一つの実家としてのパラサイヨであるようにって思っています。だからみんな来てくれて本当にありがとうだし、今まで続けてくれているみんなにもありがとうだし。今までのみんなと今いるみんなと、これから入ってきてくれるであろうみんながいて、パラサイヨがあるから。 

スタッフ:こんな人がね、代表っていうのが本当にこの団体の素晴らしさよね。家族愛が熱い!本当に!

かおるぽん:こんなパラサイヨを今後とも宜しくお願いいたします。

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