絶叫マシンに乗れなかったAくんが、Scout Rangerを目指すまで
絶叫マシンが怖くて乗れなかった子が、Scout Rangerを目指している。
こんにちは、ParasaiyoのSteveです。
Aくんが12歳のとき、エンチャンテッド・キングダムに連れて行ったことがあります。
年末年始、クリスマスに親元に帰れない子どもたちと過ごすのが、僕の中での恒例になっています。その年はスタッフと一緒に、10数名の子どもたちをフィリピン最大のテーマパークに連れて行きました。子どもたち数名にスタッフが一人つく形で、僕は仲の良いAくんともう一人と一緒に回ることになりました。
ゲームコーナーやウォータースライダーは楽しんでいたのですが、絶叫系のアトラクションの前に来るたびにAくんは首を横に振りました。怖い、と。「乗ってみようよ」と誘っても、頑として動かない。結局その日、絶叫系は一度も乗りませんでした。
それから数年が経った2024年の訪問のことです。
CMSPで、高校生たちが自分の夢や将来を語り合う場がありました。それぞれが紙に書いた夢を発表していく中で、Aくんの紙に「レンジャー」と書いてあるのが見えた。
思わず笑ってしまいました。
「ちょっと待って、エンチャンテッドで絶叫マシン乗れなかったじゃん」と言ったら、Aくんははにかみながら、「今は大丈夫です」と言いました。



Parasaiyoの訪問時に行う激励式の様子
フィリピンのレンジャーはScout Ranger、陸軍の特殊部隊です。試験があるので、今も勉強中だと聞いています。今年、高校を卒業しました。
絶叫マシンが怖くて乗れなかった子が、Scout Rangerを目指している。そのギャップがおかしくて、でもどこか嬉しくて、うまく言葉にできないまま今日まで来た気がしています。
支援が届くとはどういうことか、よく考えます。
学費を送る。生活費を支える。それは確かに必要なことで、Parasaiyoがずっとやってきたことです。でもAくんのことを思うとき、お金だけじゃないような気がしていて。
施設で育って、勉強して、夢を持って、試験に向かっている。その過程のどこかに、Parasaiyoが関わってきた時間があるとしたら、それは何だったのか。正直、うまく答えられないのですが、「いてよかった」という感覚だけははっきりあります。
Aくんを含め、今年も数人の子どもたちが新しいステージに進もうとしています。大学、専門学校、そして夢に向かっての勉強。それぞれの8月が、もうすぐ来ます。
レンジャーになれるかどうか、まだわかりません。試験に受かるかどうかも。でも、そこに向かっていける環境が続くことが、今できることだと思っています。今年のクラウドファンディングは、そのためにあります。
Aくんの夢を、一緒に応援してもらえませんか。
2019年 — 遊園地に向かうバスの中
2025年 — 激励式後の記念写真