ボランティアに興味がなくても参加できるボランティア

ボランティアの活動に参加する理由によくある理由に、「もっと社会貢献をしたい」「恵まれていないひとたちになにかしたい」などがあるかと思います。そのような理由でボランティアを始めることは社会全体を改善していくにとても重要なことで、そういった貢献がないと強きものが弱きものを無視するような社会になり、社会全体に亀裂が生じることにもつながることだと思います。

ただ、私達パラサイヨの活動へ参加した人達や活動のメンバーへボランティア活動へ始めたきっかけを聞いてみると、ほとんどの人が次の3つのうちのいずれかを参加の理由として上げることがとても多いです。

  • 運営側の多くのメンバーが楽しそうな人達だったから
  • 楽しくて新しいイベントに作る側として参加してみたかったから
  • フィリピンの子どもたちが可愛いので会ってみたかったから

実は、「ボランティア活動がしたかったから」とか「社会貢献活動がしたかったから」というメンバーも若干いますが、活動に参加する理由としては少数派です。でもそれがパラサイヨらしいところでもある、というお話を今回はしたいと思います。

同情ではなく楽しむということ。それがボランティアに参加することになる、ということ

私たちの多くのメンバーがどうやってパラサイヨという団体を知ったのかというと、「友達が先に活動していたから」「パラサイヨのイベントに参加したから」というのがほとんどです。このきっかけは、団体に参加するか参加しないか、に関係なく私達の存在を知ってくれたきっかけのほぼすべてに当てはまります。

その人達が私達を知ってくれるきっかけになるのが、日本国内で行なわれるイベントを通してのことです。私達の寄付する収益金のほとんどはこれらのイベント活動、コンサートにマラソン大会、ビジネスセミナーに、街コンから脱出ゲームまで、を年間何十個も開催することによって賄われ、私達の意図に共感して下さる様々な趣味や年齢の人に出会うことができます。

そのなかには友人から誘われて参加する人もいますし、インターネットやソーシャルメディアを通じて参加してくださる方も多くいます。ただ、イベントなどを通して私達がこだわっていることはどれだけ私たちのボランティア活動を理解し、応援してもらえるのか、ということではなく、純粋にコンサート、マラソン大会などのイベントを「楽しんで」もらいたい、と考えていることです。

その参加者の皆様に楽しんでもらえた結果、その収益金がパラサイヨの支援しているフィリピンの児童養護施設CMSPの未来に役立っていくことをお伝するようにさせていただいています。

こう考えている理由には、

「ボランティア活動への理解を訴えて、たくさんの人にイベントに参加してもらう」 ことと、

「こだわりぬいたイベントを作って、結果として得た収益金をボランティア活動に役立てる」

ということは全く違うことだと信じている背景があります。

一般的なボランティア活動に街頭での募金活動や広報活動などがあります。街頭でのボランティア活動ももちろん素晴らしいことですが、パラサイヨの基本的な活動モットーは、「私達が何のためにボランティア活動をしているからサポートをしたいただきたい」というスタンスではなく、「楽しみながら誰かのために良いことを行なえたらさらに楽しい」と考えいている、というスタンスが根幹にあるからです。

他のボランティア団体の活動を否定しているわけではなく、パラサイヨの参加メンバーにはボランティアに興味があって始めたメンバーばかりがいるわけではないため、この活動を継続的に活動していくためには「身近な誰かのために」と「楽しむ」ということが必須になると信じているからです。

イベントであれば、参加者の皆様に楽しんでもらい、自分たちも楽しむ、このことが大切になり、その結果生まれた収益金がさらに子どもたちの楽しい未来につながる、のであればこんなに嬉しく、楽しいことはないと信じています。そして、この2つの必須なことは誰にでもできる身近で単純なことであるからこそ、たくさんのメンバーが集まります。

なぜパラサイヨメンバーの多くがボランティアに興味を持って活動をスタートしたわけではない、のは、パラサイヨの活動が「大切な誰かのために何かをして楽しませたい」という誰の中にもある単純な想いの集まりであり、ボランティアという既成の概念よりももっと身近なものであったからだと思っています。

私たちの目指すのは、そのような気持ちが集まることで、大きなパワーが生まれ、やがてそれは国境も越えて、より多くの人と人生を楽しくしていくということです。ボランティア、社会貢献などというととってもかたい言葉に感じますが、私たちの活動の原点はそこにあります。そのために、様々なきっかけを通じて、個性的なメンバーが集まり、10年以上も継続しているのだと思っています。

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