CMSPの進学 大学紹介

こんにちは、パラサイヨのSteveです。

 

早いもので、もう2月。一年で最も短い月ですね。気づけばあっという間に3月がやってきます。今回は、年末年始に滞在中に大学を訪問したレポートです。

今回、訪問したカビテ州立大学は、パラサイヨが支援しているCMSPナイクに近くにあり、CMSPからも数名が通学しています。

 

カビテ州立大学の基本情報

 

所在地: カビテ州インダン

面積: 70ヘクタール(東京ディズニーシーとほぼ同じ)

位置: マニラの南西約60km

学部: 芸術学部、文学部、社会科学部、商学部、教育学部、工学部、看護学部、法学部、医学部、科学部、獣医学部、他

学生数*: 約35,000人

 

カビテ州立大学は優れた教育品質で知られており、私たちパラサイヨが支援しているCMSPからは車で約30分、乗合バスのジプニーだと1時間強の距離にあります。

ここでは、教育学部や社会学部、情報処理学科などで学ぶCMSPの生徒もいます。

例えば、初等教育学科のAnna(仮名)は、学校近くの学生寮に滞在しています。フィリピンでは、地方から都市へ進学する学生が一人暮らしではなく学生寮に住むことが一般的です。Annaの寮費は月額約7,000円で、10畳の部屋に複数の二段ベッド、wifi、トイレ、水シャワーがあり、場合によっては共同キッチンも利用できます。

 

首都圏マニラの最低賃金は日給610ペソ(約1,600円)で、これは月収の約20%に相当します。地方では収入はさらに低くなります。2018年以降、公立大学は授業料無料化されましたが、寮費や教科書、研究資料などの経費が貧困層の学生にとって大きな負担です。多子家庭が多いフィリピンでは、経済的理由から大学進学を諦めざるを得ないケースも多く、就職難により大卒者も低賃金の仕事に就くことがあります。大学に通えないものは更に低い賃金での労働に着く事になります。これでは貧困の連鎖を断ち切るのは困難です。

 

パラサイヨでは、こうした背景に対応するため子供たちへの学費支援活動を行っています。パラサイヨが主催するイベントの参加費から必要経費を差し引いた残額や、寄付プログラムを通じていただいた寄付金をCMSPへ大学進学費として寄付しています。

 

パラサイヨでは、CMSPの子どもたちが自立した社会人になり、貧困の連鎖を断ち切ることを目指しています。そのためには、大学進学費の支援が非常に重要だと考えています。

 

https://parasaiyo.net/donate

 

カビテ州立大学は、広大な敷地内に各学部ごとの校舎が点在しています。(大学HPより)

(大学HPより

学校の中央付近には大きなお堀がありました。

Annaの学生寮外観です。

Annaの部屋には二段ベッドが4台ありますが、現在は3人で共同生活をしているそうです。

 

キャンパス内をAnnaの案内で散策しましたが、広大な敷地と勉強するには素晴らしい環境でした。Annaによれば、CMSP時代と似た寮生活を送っており、生活面での問題は特にないそうです。

 

CMSPの子供達の進学する学部で人気があるのが教育学部です。その主な理由は、大学を卒業し、教員資格試験に合格することで、公立学校の教員として比較的高収入を得られ、家族を支えられるからです。さらに、教員としてのキャリアを積んだ後、シンガポールでの教職や、中東で家庭教師兼ヘルパーとして働くチャンスを目指す者も多いとのこと。これらの選択肢は、彼らが家族を経済的に支える手段として、特に魅力的に映るようです。


パラサイヨとして、教育の力がCMSPの子どもたちにとって、将来家族を支え、貧困の連鎖を断ち切る夢を実現させる手段となることを心から願っています。

 

Steve

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